誕生石は西洋から入ってきた考え方ですが、その起源は西洋占星術に求めることができます。惑星と星座の位置関係から吉凶を占う星占いを、皆様も一度はなさったことがおありでしょう。
占星術に使われる星座は 12 種類ありますが、それぞれの星座に守護石があり、これを星座石と言います。これは約 3500 年前に書かれた旧約聖書の中に、ユダヤの高僧達が 12 種類の宝石が取付けられた胸当てをしていたことと、その石についての記述があること、またイエス・キリストの 12 使徒を表しているという説もありますが、この星座石すべてを所有し、月毎に身に着けることで運気が高まると信じられていたのです。
そしてこうした考え方が宗教や神話と共に色々な民族へと伝わって行く中で、現在の誕生石が出来上がっていったと考えられています。
ところで、誕生石は国によって多少違います。伝承を繰り返すうちに、各国での解釈の違いやアレンジが生じたためです。やがて 20 世紀を迎え経済が拡大すると、宝石商たちは自分たちの利益のためにそれぞれ別の宝石を推奨するようになり、消費者の混乱を招きました。そこで 1912 年、アメリカの宝飾品組合が世界に先駆けて 12 カ月の宝石を決め、現在の原型ができたのです。日本では 1958 年に決められました。