2 月の誕生石はアメシスト。数千年もの間世界中の人々を魅了してきたこの宝石の魅力はなんと言ってもその色です。ライラックのような淡い色調から深い色まで、さまざまな紫色を呈するこの宝石はクォーツ(水晶)の変種で、古代ギリシャ語の améthustos(=酔わせないの意)を語源とし、酔いを防ぐ効果があると信じられていました。
ブラジルや中央アフリカ、マダガスカル、スリランカなどが主な産地ですが、11 月の誕生石「シトリン」の回でご紹介したボリビアのアナイ鉱山では、アメシストの一部がシトリンとなったアメトリンという非常に珍しい宝石を産します。また、日本でも宮城県や鳥取県で産出します。
紫色は古来日本でも高貴な色とされてきましたが、これは聖徳太子が制定した冠位 12 階の最高位の色とされたためで、清少納言も枕草子の中で「すべてなにもなにも、紫なるものは、めでたくこそあれ。花も糸も紙も。」と記しています。