宝飾品史研究家・山口　遼氏が日本の五名のジュエリーデザイナーを集め『五人の会—ファイブ・ヴァーチュオーシー』を発足されました。ヴァーチュオーシとは「名人」という意味で、日本が誇るジュエリーの名工の集まりを意図し、山口　遼氏のプロデュースにより、ウエダジュエラーにて日本で初めて作品を一堂にご紹介させていただくこととなりました。

「確固たる志を持って、ジュエリーの創造に取り組んでいる作家は、少数ですが存在します。こうした作家はあまり世に知られることがなく、その作品は独自性に富む素晴らしいものばかりです。
　この『五人の会-ファイブ・ヴァーチュオーシ』により、ジュエリーを愛好する顧客にさらにジュエリーを楽しんでいただくことを願い、企画いたしました。この五名の作家は研究熱心であり、それぞれがユニークなアイデアと確固たる技術を持ち、精緻でありながら面白さと大胆さを併せ持つという従来のジュエリーには見られない作品を生み出しています。一人一人は寡作のため、単独では販売会を開けないので五人の作品を集めました。『五人の会』の知られざる名作をご堪能ください。　　山口　遼　」

―秋場けい子―
〈プロフィール〉
ミキモト装身具 入社 安藤薩雄氏に師事。その後退社して独立し菊池久美子氏、久保田耕一氏に師事。atelier lalaを設立して自身のジュエリーを作る。

―塩島　敏彦―
〈プロフィール〉
象嵌作家　塩島東峰に師事。渡英しピクウェの再現に挑戦し、1985年、100年ぶりにピクウェ技法を復活させ、世界で唯一のピクウェ作家として活動を始める。昔存在していて、今はない技術を発見すると復元に意欲を燃やしピクウェ、パート・ド・ベールなど至難の技術を生かした作品で知られる。

―首藤　治―
〈プロフィール〉
故岡村光也氏に師事。国家検定一級技能士取得、有限会社ジュエリークラフトシュドウ設立。2005年　サロンをオープン。早くから若手技術者の育成に努め、名古屋造形大学非常勤講師など歴任。一級技能士全国大会で金メダル及び労働大臣賞。厚生労働省主催「現代の名工」表彰など受賞歴多数。2015年天皇陛下より黄綬褒章を授けられる。

―長井　豊―
〈プロフィール〉
日本で基礎技術を習得後イタリアに渡り、ローマ国立美術アカデミア修学と同時に各工房にて伝統技術の研修後、ワークショップをローマにてオープン。ヨーロッパ各地で個展及び展覧会に参加。ローマオラフォー協会等で講師を務める。その後、ローマ金銀細工師協会より最優秀オラフォーとしてルーカ賞を受賞し、日本に帰国。国内、海外での展示会に参加、卓越した技術で知られる。

―村松　司―
〈プロフィール〉
山梨県立宝石美術専門学校で学んだ後、甲府近郊でアトリエを開く。日本ではまだ珍しかったエナメル細工を専門とし、エナメルの世界では第一人者となる。日本クラフト展新人賞受賞。イタリア・オロジェンマ展　スイス・時計博物館合同展などに出店。国家検定一級技能士取得。山梨県知事認定ジュエリーマスター、山梨県立宝石美術専門学校非常勤講師。